ごゆるりと。

ぐるぐるゆっくりまわりまわって今日もゆく、そんな汐織の考えごと

アンサンブルフェスタ

 

月日が過ぎるは早いもので、今日はもう大晦日ですね…

私は大晦日感が皆無で少し寂しく感じていますが皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

この冬、私は金管8重奏のメンバーとして1月のコンクールに向けて日々練習に励んでいるのですが、その過程として、先日アンサンブルフェスタに出場させて頂きました。

その時の話を少し書き留めておきたいと思います。

 

 

私はホールの舞台の上、本番、というあの一瞬一瞬が実は結構好きです。

私たちのための照明、視線、空気。

すべてが私たちのためだけの瞬間なんです。

もちろん緊張もします。すごくします。

強豪校ならきっとホール練ももっとあって、響きにも慣れていて、緊張とかはしないのかもしれませんが…

私はこの独特な緊張感も含めて本番という空気感を楽しみたいのです。

 

しかし私はたった一度しかないこの舞台で最低な音楽をしてしまいました。

 

確かに私はアンサンブルで舞台の上に立つのは初めてのことでした。

最初の一音を吹いたとき、普段と全く違う聴こえ方をする自分の音にとても不安になりました。

でも不思議とすごく気持ちよかったんです。

自分の音が、みんなの音が一つになってホールに響いて飛んでいって、

本番という空気感が私たちとお客さんと、全部を巻き込んでひとつの音楽をつくり出していました。

この瞬間が、私はたまらなく好きなんです。

 

しかし、事故は突如として起こります。

私は音を外してしまいました。

不幸中の幸いか、目立つところでもなくひどい外れ方もしなかったので演奏自体にさほど影響はなかったらしいのですが、あの時の私は弱かったんだと思います。

そこから私は会場全体の音楽から、8人の音楽から、どんどん疎外されていきました。

みんなを繋ぎとめていた糸は途切れ、私だけ宙にぶら下がっているようでした。

急に思うように音がでなくなり、そのままもがきながら醜い音楽をしてしまいました。

 

 

みんなそれぞれに思うところはあったようで、どんよりと迎えた結果発表でしたが、光栄なことに金賞だけにとどまらず特別賞まで頂くことができました。

やはり皆ひと安心、といった感じでしたが私はどうしても素直に喜ぶことができませんでした。

 

 

少し話は飛びますが、翌日ある先生のレッスンがありました。

その時の言葉で印象的なものがあるので紹介します。

 

お前らは音楽じゃないことを考えてるから緊張するんだ。

 

ハッとしました。

そっか、私は音を外した瞬間に失敗した、賞をとれないかもしれない、みんなに見せる顔がない、という考えに意識が向いて音楽をしようとすることをやめてしまっていたのかもしれない。

本当に単純なことでした。

 

 

楽譜は作曲者からのメッセージなんです。

いわば私たち演奏する立場の者はメッセンジャーで、

そのメッセージをいかにして私たちは聴いてくださる方々に届けるか、それが大切だと思うのです。

 

コンクールは演奏会とは違って審査員がいて、審査という対象で演奏を聴いて頂くことになるので楽しむ、楽しんでもらう、というのとは少なからず違う方向性になるとは思いますが根本的なものは変わらないはずです。

 

 

今回私は作曲者の意志を無下にしてしまったことを本当に後悔していて、私にとっても特別な舞台を無駄にしてしまったことが悲しくて、そして次の舞台を最後にしたくなくて、

今年は大晦日もお正月も返上して頑張ります👊💪✨

全国大会いきたいーーー!!

 

 

 

皆様、良いお年をお迎え下さい。